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青森中央高校演劇部『7月28日を知っていますか?』

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あなたは7月28日が、青森市民にとってなんの日であるか知っていますか?

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昭和20年7月28日

昭和20年7月28日、第二次世界大戦のさなか、青森市は米軍B二十九爆撃機による空襲を受けました。

7月26日に、日本へ降伏を求めたポツダム宣言が出されたましたが、7月28日に日本政府は黙殺(拒否)との回答を行い、その夜に青森市は空襲を受けました。犠牲者のほとんどは非戦闘員の女性や子供、高齢者であること、退路を断つために市街地を囲むように空爆されたことから、日本人の戦意を喪失させることが目的の無差別爆撃だったと言われています。

市民の多くが、7月14日の青函連絡船への惨劇を前に郊外への避難を始めました。しかし当時の知事が防空法をたてに「市民には町を守る義務があるので町へ戻れ、戻らないと断固処分する」として「28日までに戻らない者は町会の台帳から抹消し、配給を止める」と布告を出したのです。

ただでさえ貧しい状況下で配給を止められることは死に直結します。また、台帳からの抹消も、非国民のレッテルを貼られることとなり、社会から抹消されることも意味します。
「青森市にいた方がマシかもしれない・・・。」
市民の多くがそのように考え、仕方なしに青森市街地へ戻ってきました。

最終期限の28日、多くの市民が町へ戻ったその日に、青森は空襲を受けました。
犠牲者の数は1018名。
青森市は焼け野原となりました。

そしてわずか18日後に敗戦となり、戦争は終わりを告げました。

参考:青森空襲を記録する会
   
青森市役所「青森空襲(昭和20年7月28日)

『7月28日を知っていますか?』

『7月28日を知っていますか?』は2015年7月28日を初演とし、以来毎年7月28日に公演し続けている青森中央高校演劇部による演目です。部員自ら青森空襲を体験した方々へ取材を行い、手記を読み込んで脚本を構成・演出しています。

戦争へ駆り出される夫とそれを見送る妻子、そんなごく普通の家族を主役に舞台は繰り広げられます。戦争の悲惨さ、当時の青森市民の様子、なぜ逃げられなかったのか。青森中央高校演劇部が、忘れてはならない惨劇を風化させないよう、劇という形で語り継いでいます。

「私たちは空襲を体験していない。取材や手記を元にしているが、あくまで想像の脚本に過ぎない・・・」

そう断りを入れる彼らから、当時の犠牲者や生き残りの人々への配慮と、平和への祈り、「あの日を決して忘れない」という青森市の記憶としての使命を感じられました。

青森中央高校演劇部とは

青森中央高校は青森県の公立高校のひとつであり、演劇部は全国大会の常連校です。過去3作品で最優秀賞を受賞、他5作品で優秀賞・優良賞を受賞している全国トップレベルの強豪校です。

※受賞履歴はWikipedia参照

青森中央高校演劇部による『7月28日を知っていますか?』の大きな特徴は、道具や音響、照明を使用せずに体と声で場の空気を作りあげること、全面に押し出す青森訛りのイントネーションの2つです。

総勢30名弱の部員全員が大きな塊となったり、散り散りになったりと、身体全体で空気感を表現します。そして時には無機質に、時には叫んで、そうやって声に感情をのせて音に命を吹き込みます。

また、訛りのイントネーションをそのままに演じることも、普段青森で暮らす我々にとって、どんなドラマや映画よりもリアルに映るのです。

『もしイタ~もし高校野球のマネージャーが青森の「イタコ」を呼んだら~』

青森中央高校演劇部の活動として紹介したいのが、『もしイタ~もし高校野球の女子マネージャーが青森の「イタコ」を呼んだら』という作品。通称「もしイタ」は2012年夏の全国大会で最優秀賞の受賞履歴もあります。

東日本大震災で被災した転校生と弱小野球部員たちの奮闘、成長を描いた青春活劇の「もしイタ」は2012年から通算100ステージを迎えました。高校演劇でありながら100ステージ達成の理由は、東日本大震災の被災地をまわって公演をし、元気を届け続けているからです。いじめや差別、戦争など重い題材の多い青森中央高校ですが、笑いあり、涙ありの明るいお芝居です。

そしてこの公演は全て無償で行われています。

会場費、宿泊費、移動費、その他にかかる全ての費用を青森中央高校演劇部で負担して被災地をまわり続けています。

その費用は今回の『7月28日を知っていますか?』などの公演の最後に募金活動を行ってまかなっているそうです。

参考:渡辺源四郎商店店主日記

最後に

恥ずかしながら、私自身、青森で空襲があったことを知りませんでした。ぼんやりと「そんなことがあったのかもしれない」という認識はありましたが、「空襲は広島や長崎のお話だ」というどこか平和ボケした、現実離れした感覚で捉えていました。

初めて『7月28日を知っていますか?』の公演を観た2012年に、ようやく、「こんな惨劇が青森で起こっていたんだ」と現実を見ることができました。本公演を観劇するのは2度目となります。平和な日常に霞んでしまいがちな、目をそむけたくなるような現実に、涙無しで観ることはできません。

私も戦争を知りませんし、空襲の恐ろしさも本当の意味で理解することはできないでしょう。それでも、青森で生まれ育った者として、事実を受け止め、平和のために後世へ語り継いでゆきたいと思います。

『7月28日を知っていますか?』は毎年7月28日に公演されます。

また、『もしイタ~もし高校野球の女子マネージャーが青森の「イタコ」を呼んだら』は全国の被災地をまわり続けている最中です。入場料無料なので、皆さんのお住まいの地域での公演がありましたら、ぜひ高校生の元気なパワーをもらってください。

公演情報:渡辺源四郎商店より随時

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